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2011年6月14日 (火)

0006 都市の水辺をデザインする

ハードディスクのデータを整理していたら、2007年のフォルダに、
読書記録まがいのファイルがありました。
こいつに少し手を加えて、今日の記録にしましょう。

4年前、「都市の水辺をデザインする」(篠原修編、彰国社刊)を
連休の友(供?)にしたようです。

以下は、当時の感想…



この本は、篠原修、岡田一天、小野寺康、佐々木政雄、
南雲勝志、福井恒明、矢野和之の7人のエンジニア
(自身をエンジニアとは思っていないようにも思えますが…)の共著です。

第2章では、門司港レトロ事業、浦安・境川、桑名・住吉入江、
野蒜水門、油津・堀川運河、万代橋照明復元の
6つのプロジェクトの取り組みが紹介されます。

時系列に、それぞれのプロジェクトについて
複数のエンジニアの異なる視点から語られており、
プロジェクト運営、人間関係、デザインの進化が見て取れます。

どのページも、建設コンサルタントに携わる
心あるエンジニアの心を震わせるのに十分な力があります。

そして、6つのプロジェクトに共通していたのは、
行政担当者の熱意と理解にあったように感じました。

実際、著者の中には、行政が発注する構造物の標準設計に異を唱え、
設計業務が完了したあとになっても工事現場にまで口出しする方もあったようで、
そんな設計者(業者)との付き合いは、発注サイドの行政マンからすれば、
うんざりするものがあったにちがいないと思います。

また、そう思われているとわかっていながら、
忍耐強く、“その場に最も大切なこと”を探求し続ける
エンジニアチームの姿勢にも感銘を受けました。
(実際、エンジニアサイドとしても、発注者に迎合する方がストレスは小さいと思うのです。
 失うものも大きいと思いますが…)

そうして、発注者とエンジニアが理解し合える「真実の瞬間」が訪れるまで、
途中で投げ出さない真摯な姿勢を大切にしなければいけない…

と、当時のわたくしは考えたようです。
そして、ご理解いただけるように願い続ける力が必要だとも。


第3章には、建設コンサルタントの特殊性が説明されるくだりがありました。
---------
建設コンサルタントは、基本的に「標準設計」という定まった方程式に
入力して結果を出す仕事を、行政に代わりにやる職能であること。


だから「設計補助」と呼ばれることがあること。
オリジナリティのない標準設計なのだから、当然ながら著作権がないこと。


そして、自らの設計に基づく工事について現場で意図を伝える「権限」はなく、
工事現場に出かけることに関して、受託した会社はコスト面でメリットがない
ばかりでなく損失を生じてしまうこと。


こうした背景から、都市デザイン、ランドスケープアーキテクトという
職業分野に魅力を感じた人がいたとしても
「建設コンサルタント会社」は必ずしもその未来を保証しないこと。

---------

上記に列挙した現状に身を置くとしても
“空間ヴィジョンを打ち出し具現化する”ことに関してコラボレーションに可能性がある。
と、著者の一人・小野寺康氏は指摘しています。

また、空間ヴィジョンを構築して実現するためには、
機能性、合理性、経済性、快適性、美意識、歴史風土、地域文化、環境問題など
多くの課題を総合的に勘案して一つの空間に結実させる能力が必要とも。

一人のエンジニアとしては、
コラボレーションのなかで持ち堪えられるだけの資質を獲得し、さらに維持するためには、
精進精進そして精進であろうと腹をくくるしかありません。

さらに南雲勝志氏は、コラボレーションについて、
「力を合わせるではなく、補完しあうという言葉のほうがしっくりとくるかもしれない。」
と、言及します。
自分は、何かを補完できるだけの資質を持っているのか…
当時のわたしは非常な不安を覚えたようであり、今のわたくしも、そのことに関して、
当時と大差がありあせん。

「何かを補完できるだけの資質」は、
“お声がかかる”かどうかで評価され、成果によってまた評価されることになるという、
あまりにわかりやすい物差しがあることに怖れも感じたものです。

あとがきでは、

戦後土木は、オリジナリティと創造性を放棄し、
デザインという、文化構築力を持つダイナミックな方法論を失ってしまった。

と指摘されます。文化構築力を持つダイナミックな方法論を今いちど探しに
連休が明けたので、また、小さな取り組みに復帰します。

と結ばれていました。

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